工事進捗状況 第三回 7月4日、柿葺き初め祭を斎行。御社殿の柿葺き工事が始まりました。
平成28年08月01日
7月4日より、御社殿の屋根の葺き替え工事が始まりました。
柿葺き初め祭を斎行、工事に先立ち、開始の奉告、並びに安全無事を祈り、さらに御屋根の祓い清め、柿板の葺き初めの神事を奉仕いたしました。
御本殿より葺き替え工事が進められていきます。
今回は「保存修理工事」として、傷んだ部材は新調し、従来材で傷みのないものは、表面を磨いたりして、引き続き使用していきます。
屋根の先端には「水切り銅板」を葺き込み、屋根板への雨水等の回りを防ぎます。
柿板は軒先から、葺き進めていきます。
水切り銅板、柿板の下地となる「上目板(うわめいた)」を重ね、その上にいよいよ柿板を葺いていきます。
屋根の勾配の関係で、軒先には雨がたまりやすく、腐敗しやすいため、柿板の間隔を短く葺きます。
通常の平葺きは一寸の間隔で葺きますが、軒先は二分、四分、六分の間隔で葺きます。
これを「込足(こみあし)」といいます。
この込足に続いて、一寸間隔でずらしながら、平葺きを行っていきます。
また平葺きの一尺ごとに、「差し込み銅板」という、細長い銅板を挟みこみます。
柿板の腐敗の原因となるものは、菌や苔類の発生によるものです。
この差し込み銅板が、雨と反応して緑青が流れ、屋根を菌類から守る効果が見られます。
このように遠くからはわからない、細かい所にまで、先人達の知恵や工夫が隠されていることに、驚かされます。