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令和3年 頌春 宮司ご挨拶を掲載しております
写真 社殿 蟇股(かえるまた)の彫刻 「牛と唐子」
令和3年1月1日、社報「たまたれ」通巻45号を発行いたしました。
社報には、宮司挨拶を掲載しております。
当ホームページの「ご挨拶」の頁にてもご覧いただけます。 こちらへ →
頌春 宮司 竹間 宗麿
令和3年辛丑歳の年頭に当たり、皇室の弥栄と国家の平穏、産子崇敬者の皆様の隆昌を御祈念申し上げます。
新型の感染症は未だその力衰えず、多くの方が憂い恐れて居ることと思います。旧年は多くの催し事が自粛・縮小・中止となりました。
当社におきましても例祭(おくんち)・川渡祭・新嘗祭等、平常でしたら多くの御崇敬の皆様方に御案内申し上げる祭典も御参列を一部遠慮戴くことと相成り、祭典によっては小職以下神職巫女のみにてお仕え申し上げました。
如何なる時にも重要なのは「祈り」でございます。「まつり」はまつられる対象があってこそ、「いのり」がありてこそ「まつり」であります。
日本では「八百萬の神」と申し上げ、神話に出て来られる神様以外にも山川草木の自然また私たちに被害をもたらす対象にも畏怖すべきものとして「神」として崇めてまいりました。
ある地方でありますが、集落の外れの細い道の近辺を「ほそがみ」と地域の方は名付けています。これは江戸時代に疱瘡=天然痘が流行し、遂に手前の集落にまで疱瘡が来ました。そこで住民達は集落の入口に「疱瘡神」をお祀り申し上げたところ疱瘡が手前の集落にて消え去り安堵した。というものですが令和の現在も石の祠があり、赤い御幣がお祀りされています。つまり「ほそがみ」は「ほうそうがみ」であります。このように尋常ではない、人智では図られない力を持つものも神としたのです。
私たちは現在新型コロナウイルスという目に見えない恐怖の中に身を置いて居ますが、この中でウイルスというものに対して撃退という攻撃的ではなしに「退散」や「鎮静」が神道の「祈り」と申せましょう。疫病をもたらす「疫病神」に対してしかるべきところにお移り願う。やくびょうがみさんにご機嫌ようおとなしくして戴くということであります。
皆様には折々の「祈り」に自分や家族のことのみならず世の平和・疫病の鎮静を祷り申し上げますよう願ってやみません。
(社報「たまたれ」通巻45号 令和3年1月1日発行 挨拶より)
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