九州最大級のご社殿
高良大社のご社殿は、ご創建以来何度も建て替えられてきました。 江戸時代、久留米藩の厚い崇敬を受けて、歴代藩主は社殿の造営と祭りの振興に力を入れました。現在のご社殿は、3代藩主有馬頼利公の寄進によるものです。 万治3年(1660)に本殿が、寛文元年(1661)に幣殿・拝殿が完成しました。 江戸初期の権現造(ごんげんづくり)で、正面からみると、その幅約17m、高さ13m、奥行き32mで、神社建築としては九州最大級の大きさを誇ります。柿葺(こけらぶき)で、建立年次が明らかな社殿として大変重要とされ、現在は国の重要文化財に指定されています。
江戸初期の権現造(ごんげんづくり)。 ご造営をつかさどった「丹羽頼母」 有馬頼利公から社殿のご造営を任されたのが、普請奉行の丹羽頼母(にわたのも)です。 江戸城や日光東照宮の普請に携わった当代最高の工事奉行でした。高良大社の社殿が日光東照宮に似ているという由縁でしょう。 彼は丹波福知山の有馬豊氏に仕え、有馬豊氏が藩主として久留米藩に移った際に、彼も移りました。筑後川五庄屋の堰や大石・長野水道を開くなどの土木関係をつかさどり、山下に現存する第一鳥居「石造大鳥居」の普請奉行を務めたのも、丹羽頼母です。 |
社殿格天井の彩色画
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蟇股(かえるまた) 社寺建築で、梁(はり)や桁(けた)の上に置かれる山形の部材。蛙がまたを広げたような形です。 |